私の主力の投資先である米国VI、米国VIブル、米国VIベアではコンタンゴによる減価はとても大事な要素になるため、本記事で解説していきたいと思います。
なお、この仕組みは先物取引が元となっているため、先物取引の簡単なイメージを説明した以下の記事も一緒に確認いただければと思います。
VIX指数関連銘柄の価格について
VIX指数関連の銘柄である米国VI、米国VIブル、米国VIベアは、参照元を辿るとVIX先物になっており、ロールオーバーが繰り返されています。
そのため、価格にはロールオーバーにかかるコストが反映されます。
コンタンゴの場合
ロールオーバーの際、乗り換え先である期先の方が価格が高い場合は、安く売って高く買うことになるため、差額分の支払いが必要になります。
このように、期近より期先の方が価格が高い状態をコンタンゴと呼び、ここで発生した差額がVIX指数関連銘柄の価格に反映されるため、コンタンゴの場合はVIX指数関連銘柄の価格は下がることになります。
※米国VIベアは逆の値動きをするため、価格が上がることになります。
バックワーデーションの場合
ロールオーバーの際、乗り換え先である期先の方が価格が低い場合は、高く売って安く買うことになるため、差額分を受け取れることになります。
このように、期近より期先の方が価格が低い状態をバックワーデーションと呼び、ここで発生した差額がVIX指数関連銘柄に反映されるため、バックワーデーションであるとVIX指数関連銘柄の価格は上がることになります。
※米国VIベアは逆の値動きをするため、価格が下がることになります。
VIX先物がコンタンゴになりやすい理由
先物取引における価格の特徴
先物取引における期近と期先の価格の決まり方の特徴は、以下のようになります。
商品先物の場合
商品の先物の場合、限月が近いもの(期近)は現物に近い価格になりますが、限月が遠いもの(期先)は、実際の商品を限月まで保管しておく際にかかるコスト等が発生し、そのコストは価格に反映されることになります。
そのため、期近より期先の方が価格が高くなりやすい(コンタンゴになりやすい)ということになります。
VIX先物の場合
VIX先物の場合は商品のような保管コストは発生しませんが、VIX指数の値動きの特徴として、「通常時は10~20前後で推移するが、金融不安が発生すると急騰する」という特徴があるため、現在は安定していても将来急騰する可能性があり、その可能性がVIX先物の期先価格に反映されるため、期近より期先の方が高くなりやすい(コンタンゴになりやすい)ということになります。
バックワーデーションになる場面
バックワーデーションとは、コンタンゴとは逆で限月が近いもの(期近)より、限月が遠いもの(期先)のほうが価格が低い状態のことを指します。
VIX先物では、金融不安が発生してVIX指数が高くなっている最中等にバックワーデーションになります。金融不安が発生している時は期近では金融不安が継続されてているため価格が高い状態となりますが、期先では金融不安が解消されることが見込まれるため通常時の価格に近付いていくため、バックワーデーションになります。
金融不安が発生する頻度は圧倒的に少ない
平時はコンタンゴ、金融不安発生時にバックワーデーションになります。
金融不安は小さいものも含めると何度も発生していますが、それ以外の期間はずっとコンタンゴになるため、バックワーデーションよりコンタンゴの方が圧倒的に多くなります。
まとめ
コンタンゴが多い銘柄はロールオーバー時のコストの分、常に下落圧力がかかっていることになります。
価格の上昇がコンタンゴの減価によって抑えられてしまうため、ロングポジションの長期保有には向かず、コンタンゴも意識したうえで取引を行う必要があります。
なお、VIX指数は平時は10~20程度に落ち着く特徴がある上に、VIX先物ではコンタンゴが圧倒的に多いため、VIX先物に連動する米国VI、米国VIブルでは価格が下落していき、逆の値動きをする米国VIベアでは価格が上昇していくことになります。
このような仕組みの上での値動きの特徴を理解した上でVIX投資戦略を決めると良いと考えています。
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