空売りが苦手な人や取引規制発生時の味方!米国VIベアについて

2021年3月7日日曜日

米国VIベア

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VIX指数への投資が行える銘柄の一つである米国VIベアについて解説していきます。

米国VIベアとは

GMOクリック証券で取り扱われているVIX関連のCFD銘柄です。

「プロシェアーズ・ショート・VIX短期先物ETF(SVXY)」が参照原資産となっており、VIX短期先物指数のマイナス0.5倍変動する値動きをします。
※もともとマイナス1.0倍でしたが、2018年2月にマイナス0.5倍に変更されました。

特徴

VIX指数(恐怖指数)について 」の記事でも載せていますが、米国VIベアが参照しているSVXYのチャートは以下のようになっています。

順調に右肩上がりでしたが、2018年のVIXショックで90%以上の下落が発生しました。

その後は緩やかに回復を始めていましたが、新型コロナウイルスのパンデミックで再度下落し、そこからまた徐々に回復が始まっているところになります。

米国VIベアの価格変動に関する2種類の要因

米国VIベア(SVXY)は、VIX短期先物指数のマイナス0.5倍変動するということで、値動きに関して2種類の圧力がかかっています。

なお、米国VIブル(UVXY)とは変動の倍率が異なるだけであるため、価格にかかる圧力の種類は同じになりますが、米国VIベア(SVXY)では圧力の方向が違うため、値動きに関しては気を付けるべきであると考えています。

要因①:インバース型ETFによる減価

「VIX短期先物指数のマイナス0.5倍変動する」ということは、「 驚きの下落速度!リスクを上回る魅力が満載の米国VIブルについて 」で説明したレバレッジ型である米国VIブル(UVXY)と同じように、VIX短期先物指数が上昇や下落した後に元の値に戻ると、米国VIベア(SVXY)は元の値より下落した状態になります。

仮に、VIX短期先物指数と米国VIベアが共に100であり、VIX短期先物指数が1日に120まで上がり、2日目に100に戻った場合を考えると、以下のようになります。

VIX短期先物指数

・1日目:100→120(20%上昇)
・2日目:120→100(16.7%下落)

米国viベア(SVXY)

・1日目:100→90(10%下落)
 ※VIX短期先物指数の変動率(20%)×マイナス0.5倍=米国VIベアの変動率(-10%)
・2日目:90→97.5(8.3%上昇)
 ※VIX短期先物指数の変動率(16.7%)×マイナス0.5倍=米国VIベアの変動率(-8.3%)

VIX短期先物指数は2日目に100に戻ったにも関わらず、米国VIベア(SVXY)は97.5に減価してしまいました。

インバース型ETFでもレバレッジ型と同じ下落圧力がかかることになります。

要因②:コンタンゴによる減価(インバース型なので上昇)

SVXYの参照元は米国VIブル(UVXY)と同じVIX短期先物指数であり、「 驚きの下落速度!リスクを上回る魅力が満載の米国VIブルについて 」でも説明していますがVIX短期先物指数はロールオーバーの際のコンタンゴが圧倒的に多い傾向があるため、どんどん減価されていきます。

米国VIベア(SVXY)はインバース型で変動率がマイナス0.5倍であるため、VIX短期先物指数が減価された分の0.5倍上昇していくことになります。

コンタンゴによる減価の仕組みは以下の記事で解説していますので、是非参考にしてみてください。

取引規制について

米国VIベアでは、米国VIや米国VIブルと同様にVIX指数が急騰した際に投資家保護のために新規取引規制が行われることがありますが、頻度は少ないです。

実際に新型コロナウイルスによる混乱の際も、新規取引規制が発生していた期間は米国VIや米国VIブルと比較してとても少なかったため、取引規制についてあまり気にする必要はないかと思います。

まとめ

米国VIベアは、コンタンゴによる減価の影響が大きいため基本的には右肩上がりに上昇していく傾向があります。

しかし、インバース型ETFによる減価により下落圧力もかかっていることを認識する必要があり、VIXショック時のように90%以上も下落するリスクや、そのような場面でSVXYの早期償還に伴う銘柄の廃止といった致命的なリスクも現実的にある銘柄です。

取引規制の影響を受けにくいというメリットもありますが、致命的な下落が発生する可能性も考慮したうえでうまく活用したい銘柄になります。

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米国VIベアについては、以下の記事でも紹介していますので、是非参考にしてみてください。

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