VIX指数の取引を行う上で、まずは先物取引について理解する必要があります。
本記事では、先物取引のイメージについて解説していきたいと思います。
先物取引とは
先物取引は、将来の売買についてあらかじめ価格と数量を約束しておき、約束の期日(限月)が来た時点で実際に受け渡しや決済を行う取引になります。
先物取引のイメージ
先物取引の簡単なイメージは以下のような流れになります。
買い手の気持ち
将来(3カ月後)に原油が必要で購入しなければいけないとします。
実際に必要なタイミングに購入すれば良いですが、いざ購入するタイミングで価格が急騰している等の予測できないリスクがあります。
そのようなリスクを避けるためには今の時点で購入して必要なタイミングまで保管しておくという方法も考えられますが、保管場所が無い等の問題がある場合はその手段も使えません。
今の時点で購入する価格と数量、購入時期を決めておければ予測不能なリスクは無くなるため、そのような手段で取引を行いたいと思います。
売り手の気持ち
売り手は収入を安定させるために産出した原油を安定して売却する必要があります。
常に安定して売れ続けてくれれば良いですが、何らかの理由で需要が減ったり価格が暴落することで突発的に収入が激減してしまうリスクがあります。
今の時点で売却する価格と数量、売却時期を決めておければ突発的なリスクは無くなるため、そのような手段で取引を行いたいと思います。
双方の合意
「買い手の気持ち」と「売り手の気持ち」が合致することで、win-winの約束を取り交わすことができます。
3カ月後
約束した期日である3カ月後がやってくると、買い手は売り手に代金を支払い、売り手は買い手に原油を受け渡します。
受け渡しが完了することで、取引完了となります。
以上が先物取引に関する簡単なイメージになります。
現物が無い先物取引の場合は?
VIX指数のように、現物が存在しないものについても先物取引を行うことができますが、現物が存在しないため、約束の期日に受け渡しを行うことができません。
そのため、約束の期日までに同数の反対売買(決済)を行うことで、現物の受け渡しが不要となるように取引を行います。
このような方法で、現物が存在しないVIX指数のようなものの先物取引を可能としています。
なお、約束の期日のことを限月(げんげつ)と呼び、限月までに決済を行う必要があります。同じ先物であっても限月毎に価格が設定されており、限月が近いものを期近、遠いものを期先と呼びます。
先物を保有し続けるには
先物には限月があるため、決まった期日までに決済を行う必要があります。
そのため、先物として保有し続けたい場合は、限月までに期近の先物を一度決済し、改めて期先の先物を注文する必要があります。
このように、期近から期先へ乗り換えることをロールオーバーと呼びます。
なお、期近と期先では価格に違いがあるため、ロールオーバーするたびにコストが発生します。このコストがVIX取引を行う際に非常に重要な要素となっています。
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