驚きの下落速度!リスクを上回る魅力が満載の米国VIブルについて

2021年2月23日火曜日

米国VIブル

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VIX指数への投資が行える銘柄の一つである米国VIブルについて解説していきます。

米国VIブルは私の主力の投資先の一つであり、魅力の大きな銘柄です。

※追記 建玉上限設定について 2022年3月12日に売建玉の上限が100枚に設定されてしまったため、長期で継続的にポジションを増やし続けることができなくなってしまいました。
そのため今後のGMOクリック証券での米国VIや米国VIブルのショート戦略は建玉数が100枚に達するまでの限定的な手法になってしまいます。
参考: 【重要】CFD取引 一部銘柄の建玉上限引下げのお知らせ

米国VIブルとは

GMOクリック証券で取り扱われているVIX関連のCFD銘柄です。

「プロシェアーズ・ウルトラ・VIX短期先物ETF(UVXY)」が参照原資産となっており、VIX短期先物指数の1.5倍変動する値動きをします。
※元々2倍でしたが、2018年2月に1.5倍に変更されました。

特徴

VIX指数(恐怖指数)について 」の記事でも載せていますが、米国VIブルが参照しているUVXYのチャート(2012年以降)は以下のようになっています。

下落しすぎて値動きが全く見えません。

チャートで値動きも確認したいので、2015年以降のチャートも見てみたいと思います。

こちらも同じく下落しすぎて値動きが全く見えません。

2012年から2015年までの間だけでも値動きが見えなくなるほど下落しているにも関わらず、2015年以降にしても同じような状況になっているのは、それだけ凄まじい速さで大きく下落しているということになります。

次は2018年以降のチャートも見てみたいと思います。
期間が短くなったことに伴い、週足で表示しています。

ようやくチャートとして見えるようになりました。

VIXショックや新型コロナウイルスのパンデミック等のタイミングで大きく上昇するタイミングはありますが、傾向としては変わらず下落を続けています。

具体的にどの程度下落しているのかを把握するため、年単位の下落率を表にまとめました。

始値 終値 下落率
2012年 7,407,100,000.00 201,337,000.00 97.28%
2013年 201,337,000.00 16,770,800.00 91.67%
2014年 16,770,800.00 6,273,350.00 62.59%
2015年 6,273,350.00 1,404,245.00 77.62%
2016年 1,404,245.00 86,959.00 93.81%
2017年 86,959.00 5,168.00 94.06%
2018年 5,168.00 8,146.00 -57.61%
2019年 8,146.00 1,267.00 84.44%
2020年 1,267.00 1,067.00 15.83%
※2023年6月の併合を反映済み。

チャートで見た場合も凄まじかったですが、具体的な数字を見てもすごい下落の仕方になっています。

2018年はVIXショックがあった関係で上昇してしまっているのと、2020年は新型コロナウイルスのパンデミックがあった関係で下落率が大きく減ってしまっていますが、それ以外の年の下落率には目を見張るものがあり、2012年の始値と2020年の終値を基に下落率を単純に計算すると、2018年2月末に変動率が2倍から1.5倍に変更になったことを考慮した場合でも年64%程度、月11%程度下落していることになります。

なお、ある程度下落してくると、「併合」が行われます。

過去の実績では「1:5」や「1:4」で併合されていることが多く、仮に米国VIブルのショートポジションを「建玉数:20」、「平均取得単価:10」で保有している際に「1:5」の併合が発生したとすると、併合後のポジションは「建玉数:4(20÷5=4)」、「平均取得単価:50(10×5=50)」に変わります。

建玉数と取得単価の関係が変わるだけなので、実際に保有しているポジションに関して損得の影響はありません。

最近では2023年6月に米国VIブルの併合が行われました。

なぜここまで下落するのか

「米国VIブル(UVXY)はVIX短期先物指数の1.5倍変動するだけなのに、なぜこんなに下落するのか?」と思われる方もいるかと思いますが、「VIX短期先物指数の1.5倍変動する」ということだけで2種類の下落圧力があるため、このような値動きとなっています。

要因①:レバレッジ型ETFによる減価

「VIX短期先物指数の1.5倍変動する」ということは、VIX短期先物指数が上昇や下落した後に元の値に戻ると、米国VIブル(UVXY)は元の値より下落した状態になります。

仮に、VIX短期先物指数と米国VIブルが共に100であり、VIX短期先物指数が1日目に120まで上がり、2日目に100に戻った場合を考えると、以下のようになります。

VIX短期先物指数

・1日目:100→120(20%上昇)
・2日目:120→100(16.7%下落)

米国VIブル(UVXY)

・1日目:100→130(30%上昇)
 ※VIX短期先物指数の変動率(20%)×1.5倍=米国VIブルの変動率(30%)
・2日目:130→97.5(25%下落)
 ※VIX短期先物指数の変動率(16.7%)×1.5倍=米国VIブルの変動率(25%)

VIX短期先物指数は2日目に100に戻ったにも関わらず、米国VIブル(UVXY)は97.5に減価してしまいました。

このように、参照元の価格が変動した後に元の価格に戻ると、レバレッジ型ETFは元の価格よりも下落します。

米国VIブルでは、参照元となるVIX短期先物指数は相場が荒れる際に急騰しますが、その後元の値に戻る特徴があるため、減価され続けることになります。

要因②:コンタンゴによる減価

UVXYの参照元であるVIX短期先物指数は定期的に期近のポジションを期先のポジションへ買いなおし(ロールオーバー)が行われ、買いなおし時の差額はVIX短期先物指数の価格へ反映されます。

期近の価格が期先の価格より安い場合(コンタンゴ)には、ロールオーバーの際に安く売って高く買うことになるため、差額の分だけVIX短期先物指数の価格が下落することになります。

VIX短期先物指数はコンタンゴの状態が圧倒的に多い傾向があるため、どんどん減価されていくことになります。

コンタンゴによる減価の仕組みは以下の記事で解説していますので、是非参考にしてみてください。

取引規制について

米国VIブルでは、米国VIと同様にVIX指数が急騰した際に投資家保護のために新規売規制が行われることがあります。

VIX指数が大きく上がりVIX指数の売りポジションを増やす大きなチャンスでは新規売規制されていることが多いため、そのような場合には別の銘柄で取引を行うか、別の証券会社で取引を行う必要があります。

代替手段の候補となる米国VIベアについては以下の記事で紹介していますので、是非参考にしてみてください。

まとめ

米国VIブルは、2種類の下落圧力があるため、大雑把な単純計算でも年64%程度、月11%程度も下落していきます。

そのため、急騰時にロスカットされないよう資金管理さえ行えればどのタイミングで売りポジションを持っても早い段階でプラスになることが期待できるかと思います。

ただし、VIX指数急騰時等のチャンスの時に取引規制が発生することが多いため、米国VIブルの取引規制が発生している時にVIX指数の取引を行いたい場合は米国VIベアを使用するのがおすすめです。

関連記事

米国VIブルのショート戦略の考察について、以下の記事で説明しています。

米国VIブルのロスカットレートの目安を、以下の記事で更新しています。

LINE CFDの米国VIについては、以下の記事で紹介しています。

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